「子母口・千年コース」のまち歩き、前回は弟橘媛伝説に導かれ、束の間のタイムトリップを味わいました。最終回となる今回は “たちばなふれあいの森” からスタートです。
突如眼前に現れる森は、「ホタルの里」 としても大切にされる憩いの場
樹林のなかにベンチや散策路を拓き、自然にふれあうことができる憩いの場。道も整備されているので歩きやすい!湧水地が整備され、ホタルの里としても知られています。近所だったらウォーキングに毎日来たいくらい、気持ちの良い場所。
下校中らしい学生さんに遭遇、通学路でもあるのですね。これは足腰丈夫になりそう!
関係ないですが、こういう特別な道を学校の行き帰りに歩いたら大人になってひときわ懐かしく思い出されそうですよね。ちょっとケンカしちゃったお友達と無言で坂道を上りながら、それでも一緒に帰ったんだっけな~とか(妄想)。
秋の紅葉の季節も楽しめそうな森は、これからの季節も新緑が輝いて美しいはず!折々の楽しみ方がありそうなふれあいの森を進みます。
えんやこらさと、自然林を抜け、そろそろ旅は終盤へ。目指すは 「影向寺」 です。
圧倒的な歴史の重みを感じさせる霊地 「影向寺」
非常に趣きのある古刹。なんでもwikipediaによれば 「関東の正倉院」 と呼ばれているほどだとか。天平12年(740年)に聖武天皇の命で行基が建立したとされ、近年の発掘調査の結果からはその歴史を7世紀末までさかのぼることができたというから、大変なご由緒です。中世の頃に劣化の修復・再建を行い、現在の薬師堂は神奈川県の重要文化財に指定されています。棟梁は橘樹郡稲毛領清沢村(現在の高津区千年)の大工・木嶋長右衛門直政であるとのこと。(出典:影向寺Webサイト)
古刹にふさわしい見事な巨木が立ち並ぶ境内に、ひときわ立派な大イチョウがあります。神奈川の銘木100選にも選ばれたこの大イチョウは、乳柱を削って飲むと乳の出が良くなると言われ、かつては多くの若妻が訪れたとか。また、平安時代の作とされる木造薬師如来両脇侍像 3躯は国の重要文化財に指定されています。
奈良時代に開かれた歴史の古さから、重要文化財をはじめ多数の仏像、古文書類や民俗資料が所蔵されている影向寺。「影向」 には “神仏の憑かりますところ” という意味があるそうで、寺域は太古より神聖な場所として敬われてきたとのことです。旅のゴールにふさわしい威風堂々とした薬師堂も拝し、アップダウンの激しかった今回のまち歩きで重たい足取りで帰路に就く編集部でした。
3回に渡ってお届けした 「子母口・千年」 のまち歩き、いかがでしたでしょうか。古代からの歴史が今に残るロマンを感じていただけましたらうれしいです。